クライアントはどこにいるのか?

■ここ3〜4年の間に、日本のパーソナルトレーナーの数は一気に増えました。ほとんどのパーソナルトレーナーは、フィットネスクラブに登録して活動しているので、クライアントを獲得するための競争は、自ずと激化することになります。
 フィットネスクラブなどの施設で運動する人たちの数があまり変わらないとすると(人口の約3%といわれています)、この競争はますます熾烈になると予想されます。
■しかし、本当にそうでしょうか? パーソナルトレーニングのクライアントになる層を、従来のフィットネスクラブの会員層に限定すると、確かにお客さんの取り合いになってしまいますが、パーソナルトレーニングの可能性は、従来のフィットネスクラブの会員層に限定されるわけではありません。
 これまでフィットネスクラブに参加しなかった人口の97%の層にも、パーソナルトレーニングが広がる可能性は十分にあります。それは、本誌の特集でメンタル面のアプローチの重要性について提唱している中野ジェームズ修一氏のお話からも強く感じられますし、前号の特集で取り上げたリコンディショニングの重要性からもいえることです。
■従来のフィットネス志向の層とは違う、新たな層がパーソナルトレーニングに出会い、始めるようになるカギの一つは、日本の体育や部活の経験を土台にしたスポーツトレーニングのあり方(価値観、方法など)とはまったく違う、一人ひとりの生活に根ざしたフィットネスの世界を構築することだと思います。
■体育の授業を通して、運動が嫌いになる人(さらには自分の体育てに関心を持たなくなる人)がたくさんいます。そんな多くの人たちにも、パーソナルトレーニングは、快適な体と心を育てるためのライフスタイルの一つとして受け入れられる可能性はあります。
 そのためには、従来のスポーツやトレーニングの価値観、方法をクライアントに押しつけるのではなく、パーソナルトレーナーの側がクライアントの生活(人生)に近づいて、豊かなフィットネス・ライフスタイルを提案する必要があります。
■本誌に登場していただいているパーソナルトレーナーの方々の活動は、そうした新たなクライアントの層の開拓にもつながっていると、強く感じます。

季刊『パーソナルトレーニング』第7号巻頭メッセージより)

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