人間の体を中心に考える

■トレーニングの分野では、方法や効果についてばかりが注目され、大事なところがヌケ落ちていた(軽視されてきた)のではないかという気がしています。
 もちろん、トレーニングの方法論や効果について論議され、広まることはあるべきことなのですが、その前にもっとしっかり考えるべきことがあると思うのです。
■“方法論”の以前に重要なことは、一人ひとりの人の体の機能のことを考えるということです。人間の体が持っている機能に着目し、その人が低下している機能を向上させる、それと併せてその人の目的に応じてどの機能を向上させればよいかを考え、プログラムをつくる。そのプログラムづくりのときに、さまざまなトレーニング方法が駆使される。
 始めに“トレーニング方法ありき”ではなく、一人ひとりのクライアントの体の機能について考え(評価し)、それに応じて、必要な機能向上のためのトレーニング方法を組み立てることが大切です。
■アメリカのスポーツトレーニング分野でも、単なる筋力アップ、パワーアップから、機能性の向上に着目したトレーニング(ファンクショナルトレーニング)が注目されるようになり、広がってきました。
 これは、当然といえば当然の流れです。ウエイトトレーニングでいくらパワーアップしても、筋出力以外の運動機能が低ければ、スポーツパフォーマンスが十分に発揮されないからです。アメリカのプロスポーツ選手がピラティスやコアトレーニングなどを取り入れるようになってきたのも、体の機能を重視したトレーニングが注目されるようになってきたことの表れといえるでしょう。
■パーソナルトレーニングが今後、社会的に広がり、確立されていくためには、体の機能性を中心に考えたトレーニングの体系と方法が組み立てられる必要があると考えています。この号の特集で、「体の機能性から考えるパーソナルトレーニング」(P30~78)と題して、2つの重要な記事を編集しています。今後の方針としてお役立ていただければと思います。

季刊『パーソナルトレーニング』第7号巻頭メッセージより)

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