失敗に気づかないことの“失敗”

■失敗のなかでも最も深刻な失敗は、失敗に気づかないまま、失敗している行為を続けるということではないでしょうか。
 自分が明らかに失敗したと判断できることは、自ずと修正を迫られることになりますが(修正しないと取り返しのつかない失敗になります)、失敗したと気づかないことは、気づかないままそれを続けてしまいます。
 この“気づかない失敗”こそ、プロとしては最も避けるべき一つではないかと思います。
本誌第7号の第一特集、「失敗から学ぶプロの仕事 Part1」では、一線で活躍されているパーソナルトレーナーの方に、失敗体験をもとにしたお話をうかがっていますが、インタビューしてみて思うのは、パーソナルトレーニングのセッションではおそらく“気づかない失敗”がたくさん繰り返されているのだろうな、ということです。
 特に、メンタルの面でさまざまな失敗が生じている可能性のあることは、中野ジェームズ修一氏(P8~16)のお話からよくわかります。クライアントの体に対して何がよいのかを考えるだけでなく、心に対しても何がよいのかを考える必要があるわけですが、クライアントの心や気持ちに対してしっかりと向き合っていないことが多いのではないでしょうか。
 中野氏だけでなく、インタビューさせていただいたパーソナルトレーナーの方は共通して、クライアントの心や気持ちのところに対しても、細心の気づかいをされているのがよくわかります。
■心の部分に関しては、何が失敗かがわかりにくいだけに、失敗に気づかないまま繰り返してしまいやすいといえます。そして、クライアントはパーソナルのセッションを続けなくなってしまう……。それだけでなく、トレーニングそのものをやめてしまうかもしれません。
■だからこそ、失敗に気づくことが、とても大切です。そして、失敗から学んだ優れたプロ性を身につけることが、クライアントのために重要です。

季刊『パーソナルトレーニング』第7号巻頭メッセージより)

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